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映画「ヒメアノ〜ル」エンタメとしては合格点だけど、これでいいのか?

映画「ヒメアノ〜ル」を見ました。

映画の出来映えとしては満足しているし観て良かったと思います。
でもちょっとひっかかる事がいくつかありました。

良かった点残念だった点に分けて書きますが、残念だった点を説明する上で多少内容に触れています。ネタバレが嫌な方はご注意下さい。結末は書いてません。

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http://prcm.jp/album/d20b13feeca60/pic/49496349

 

【映画情報】

タイトル:「ヒメアノ〜ル

監督:吉田恵輔

出演:森田 剛、濱田 岳、ムロツヨシ佐津川愛美

原作:「ヒメアノ〜ル」古田実

公開:2016年5月28日

上映時間:99分

 


『ヒメアノ~ル』予告編

 

簡単なあらすじ

清掃業のバイトをしている岡田(濱田岳)は何も変わらない日々を不安に思っていた。同僚の先輩・安藤(ムロツヨシ)に相談すると「日々不安なのはみんな一緒だ」と諭されてしまう。しかも安藤には生き甲斐があるという。
安藤はカフェ店員のユカ(佐津川愛美)に恋をしていて彼女こそが運命の女性だと思い込んでいる。岡田は絶対にその恋は成就しないだろうと思っていたが安藤は超本気だった。
さらに安藤は同じカフェによく来る金髪の男もユカを狙っているのでは?と心配していた。岡田はその金髪の男が元同級生の森田(森田剛)だと気づくのだが・・・

 

あらすじは原作とほぼ同じだと思います。多少の違いはあるけどコミックで6巻あるボリュームをちゃんとまとめています。

 

良かったところ

全体的には非常によくまとまっている映画だと思います。漫画原作を映画にちゃんと消化できてます。

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http://eiga.com/movie/82031/gallery/2/

 

展開がとてもスピーディー

99分って短過ぎないか?と心配になったけど、これで正解だったのかもしれないです。原作だとゆっくり進んでいく事がとてもスピーディに展開されていきます。その事で岡田の恋の進展や森田の残虐性がさらに強調されています。
最近では120分を超える映画が多いなかでこんな短時間での映画に仕上げたのはとても評価される事かと思います。 

 

森田役の森田剛がとても怖い

前評判の良かった森田剛の演技ですが、やはり良かったです。ものすごく怖いし、無軌道で何を考えているのか?判らない所が不気味でした。

個人的には森田剛の声が好きでした。普通にしていると、けっこう少年のような感じで話すのですが、人を殺す時はその声が逆にとても怖いのです。

映画だけの演出だと思いますが「とぼける」芝居もよかったです。一種の妄想というか虚言癖みたいな印象を受けました。これは映画で是非観てほしいところです。

 

ユカ役の佐津川愛美がエロくてかわいい

予告だけでは伝わらないのですが、ユカ役の佐津川愛美がとてもかわいいです。かわいいだけでなくて、とてもエロいのです。けっこうきわどいところまで脱いでいます。そしてその芝居がエロかわいいのです。
映画を観る前は原作のイメージとちょっと違うなぁと思っていましたが、いい意味で予想外でした。 

 

日常の展開も楽しめる

原作では森田が登場するところ以外は、岡田の日常が描かれているのですが、ちょっと退屈な部分でもありました。それを映画ではどうするのかな?と思っていたのですが、意外と楽しめました。

役者の芝居が良かった事もありますが、監督の演出で上手くクスッと笑える芝居になっていました。 

 

 

 

残念に思っている点

ここからはちょっと残念に思っているところを書いていきます。主に原作との違いで、これは変えて欲しくなかったという事が理由です。
内容に触れて行きますのでネタバレにご注意下さい

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http://www.himeanole-movie.com/

 

森田の設定を変えた

原作の森田は「人を殺したくて仕方ない」という設定です。
なぜ人を殺してはいけないんだ?と悩んでいるくらいです。そして殺す事を一番の快楽だと思っています。原作では殺す瞬間はセックスなんかよりずっと気持ちいいと言ったりするくらいです。映画の中ではレイプもしていますが、原作の設定だとおそらくレイプには興味がないのです。

この「殺人を犯しちゃいけない。けど!殺したい!」と悩んでいる姿が観たかったです。自分が周りの人間とは違って頭がおかしい奴なんだと苦しんでいる姿を描いて欲しかった。

確かにそうすると「よくわからない変なやつ」となってしまう可能性があります。
それでも個人的にはとても興味深いところだったのでこの設定の変更は残念でした。

 

ちなみに、映画の中で森田がなぜ執拗にユカを狙っているのか?説得力が足りないなと思いました。これは原作ではユカが森田の学生時代の美人の先生に似ているからです。そのユカをどうしても首を絞めて殺したいと狙っているのです。

  

原作にある幻覚表現がない

原作では殺人を犯しまくった森田が、幻覚を見るようになります。これに近い表現としては映画では幻聴になっています。せっかく映像化するのだから、ここは幻覚を見せて欲しかったです。個人的にはそういうシーンが好みなので残念でした。

 

登場人物をかなり削った

これはもったいないです。特に「森田を家に呼ぶ金持ちの女」は入れて欲しかったです。映画ではただの金持ちの家になっていました。原作に登場している変な人をもう少し出していた方が映画の世界観が深まったように思います。 

 

 

こんな人にオススメ

単純にエンタメ作品として楽しめるのでデートで観てもいいかと思います。若いカップルにオススメかと思います。
映画を見たあとに女子大生風の人が「絶対一人暮らししない!怖すぎ!」とか「ユカちゃんかわいかったねー」など感想を言い合って盛り上がっていました。

 

 

まとめ

原作漫画を見事にエンタメ映画として完成させた事はとても素晴らしいです。この映画はけっこうヒットするような気がします。しかしエンタメ映画として作る上で原作の持っている魅力を削ってしまい、小さくまとまってしまった感じがしています。
ここまでの映画を作った吉田恵輔監督の次回作に期待したいですね。 

 

 

 

 

では、またどこかで。