映画「秘密 THE TOP SECRET」を観ました。
私は原作を読んでいたので分かりにくい箇所を自分で補えたけど原作を全く知らない人が観たらかなり意味不明なのではないかなと心配しています。
ちなみに私は前日に原作を読み直した。これ以上ない予習です。
それでも分かりにくいのだ。参ったよ。
【映画情報】
タイトル:秘密 THE TOP SECRET
監督:大友啓史
原作:清水玲子「秘密-トップ・シークレット-」
日本公開:2016年8月6日
上映時間:149分
簡単なあらすじ
死者の脳をスキャンし、生前の記憶を映像化するMRIスキャナーが開発される。同システムを導入した第九こと科学警察研究所法医第九研究室が組織され、室長・薪剛(生田斗真)の指揮のもとでさまざまな難事件が捜査されることに。第九に配属されたばかりの青木(岡田将生)をはじめとする捜査官たちは、家族を殺害し死刑を執行された男の脳をスキャニング。事件発生時から行方不明になっている、彼の娘・絹子がナイフを手にした姿を捉えた映像を目にした彼らは……。(引用:シネマトゥデイ)
予告やあらすじからは結構期待感がありました。原作も良かったのですが・・・。
これは原作ファンは怒るだろうなぁという内容でした。
原作は長いから読むのが大変だと思っている方へ。
大丈夫です。
1巻と2巻を読むだけで映画で描かれている事件は解決します。
映画を観てモヤモヤしてる人も2巻まで読んでみてもいいかもしれないですよ。
脚本が残念過ぎる
この映画のもっとも残念なところは脚本でしょう。
とにかくわかりずらい!
ただでさえ「死んだ人の脳をスキャンする」なんてややこしい事やっているのに、事件が複雑に絡み、人間関係もあり、過去もありでなんだか全然ついていけない!
特に解決するというカタルシスが全くないので「この捜査方法って意味ある?」っと思ってしまいます。
もう少しエンタメ要素とわかりやすさを重視すべきでしょう。
何故原作と変えたのか?
原作を知っている者としては「なんで変えたの?」と思うところがたくさんありました。私は原作に深い思い入れはないのですが、単純に疑問に思うです。
いっぱいあるのですが2点だけあげときます。
主人公・薪(まき)のハイネックインナーは何故?
原作では防弾チョッキなのです。それは自分を殺すには頭を撃つしかないぞ!って意味で付けているのです。それは死んでも脳の中を見られたくないからなんですが・・・。なんでハイネックのインナーなんだろ?
犯人の貝沼(かいぬま)の存在感
凶悪犯の貝沼の見た目ですが、原作では「なんでもない普通の男」です。
だからこそ薪は貝沼を見逃してあげるのです。普通に見えた男が凶悪犯になっていくところが怖いのだけどなぁ・・・。
貝沼役を吉川晃司が演じた時点で即逮捕ですよ。
ただならぬ雰囲気出てますからね。
原作イメージをなぞって失敗
原作のいろんな箇所を変えたかと思えば、今度は原作のイメージを追いかけた結果失敗している箇所もあります。
原作の世界観はビジュアル的に美しいイメージが強いです。登場人物はみんな顔が整っていたりします。汗臭い感じの警察とは違っています。
そのイメージをなぞったのか、映画に登場する警察はみんなキチッとしています。高そうなスーツを着こなしているのです。
でもね・・・。
全員そんな感じだとおかしくないですか?と感じてしまうのです。
特に所轄の刑事のはずの大森南朋がジャガーに乗っているのは無理がある気がします。
大森南朋は悪徳刑事なので金を持っているという裏設定があったとしても、ジャガーは乗らないんじゃないかなと思います。
そもそものテーマ
そもそもこの「秘密」という原作のテーマは「人の脳を覗いていいのか?」というところだと思っています。
いくら捜査のためとはいえ他人の秘密を覗いてしまう事が許されるのだろうか?と原作では悩むところがたくさんあります。
そう思わせる部分がなかった!!残念です。
ここは良かったよ。
これまで散々ダメな事ばかり書いてますが、よかった所もあります。
http://eiga.com/movie/81538/gallery/2/
脳の記憶を見る時に誰かの脳を媒体にしないといけないという設定をオリジナルで作ったところはよかったです。(上の写真)
そうする事によって映画的な仕掛けができてと迫力がありました。
ただし、記憶の中の音声は無しにした方がよかったかもしれないです。
読心術担当の人の存在意義がないです。
原作ではそのままモニターに映像が映し出されるだけなので、映画的な描写に乏しかったのでしょう。
http://eiga.com/movie/81538/gallery/6/
もう一点は、所轄の刑事の大森南朋をオリジナルで登場させた事です。
そうする事で、謎解き班と実行班としての役割がつけられます。
ただし、ちょっと暴走しすぎでしたけどね。
まとめ
まだまだ文句を言いたい箇所はいっぱいありますが、長くなってしまうのでこれくらいにしておきます。
とにかくエンタメ性に乏しい映画になっております。
原作ファンの方はお気をつけください。
では、またどこかで。

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