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映画「汚れたミルク あるセールスマンの告発」正しい事を貫く難しさを感じる作品

映画「汚(よご)れたミルク あるセールスマンの告発」を観ました。
「重そうな映画だなぁ」とちょっと思って避けていたのですが、どうしても気になってしまって観てきました。
やっぱり重たいです。が!観てよかった。全編を通して重たい現実を突きつけられるというよりもドラマになっているので、テーマだけをしっかりと受け取れるという感じです。

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【映画情報】

監督:ダニス・ダノビッチ

出演:イムハン・ハシュミ、ギータンジャリ

日本公開:2017年3月4日

上映時間:90分

 

 監督の過去作「ノー・マンズ・ランズ」って映画は聞いた事はあるけど、観てなかった。今度見てみようと思います。

ノー・マンズ・ランド HDマスターDVD

 

 

あらすじ

あるグローバル企業がパキスタンで粉ミルクを強引に販売したため、不衛生な水で溶かした粉ミクルを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。自分の販売した粉ミルクが子どもたちの命を脅かしていることを知ったセールスマンのアヤンは、企業を訴えようとするが・・・・・。(引用:映画.com)

 


『鉄くず拾いの物語』などのダニス・タノヴィッチ監督による社会派ドラマ!映画『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』予告編

 

 

映画の構成は少し変わっていて、主人公のアヤンが自分の半生をとある映画制作陣に話す形で構成されています。

普通に彼(アヤン)自身の物語だけでよかったと思うけど、どうしてこういう構成なのか?

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彼らが映画を制作しようとしているスタッフ達。

 

スカイプか?何かで話している。モニターごしでアヤンの話を聞きながら、映画を制作した時のリスクなどを打ち合わせています。

 

 この構成の回答は後半から最後に判るので、映画をご覧ください。ただし、ビックリするような展開はありませんよ。

 

 

映画の背景

映画を観たあとに、内容がどれだけ真実だったのか?を知りたくて少し検索をしました。バッチリの回答にはたどり着けなかったのですが、関係してそうなものを下記に紹介しておきます。

そして、この映画で登場しているグローバル企業とは「ネスレ」の事です。映画でも言ってます。

 

ネスレ・ボイコット - Wikipedia

これは 、ネスレなどの多国籍企業が発展途上国で「粉ミクル」を強引に売り始めた事で、問題が起きたので「もうネスレの製品は買わない」という不買運動の事です。

でも映画の年代と違っているんですよね。

 

ちなみに驚いた事に「ネスレ」のホームページにはこの映画に対してのコメントがあるのです。

よくある質問と答え

簡単にいうと「事実と違うよ」と冷静に書かれております。一体なにが本当なのか?わからない・・・・。

 

 

問題点の整理

*これから内容に深く触れます。知りたくない人は気をつけて下さい。

問題は売られていた「粉ミルク」は普通に使えば何も問題はないという事だと思う。
「汚い水で作られたミルク」や「極端に薄められた粉ミルク」を飲んだ時に栄養が足りなかったり下痢を繰り返す事になってしまう。

仮に日本でこれを聞いたら「なんで清潔な水で作らないの?」とか「薄めて作ったら駄目に決まってるでしょ?」って考える人はたくさんいると思う。

しかし!

発展途上国では「清潔な水」が簡単に入らない人たちがたくさんいるし、粉ミルクを十分に買えない人もたくさんいる。そんな状況なのに、大掛かりな営業をして「粉ミルク」を買わせた側には責任がないのか?という問題なのです。

なぜなら「粉ミルク」ではなく母乳で育てればよいのですから。

 

映画のなかでも少し出てきますが先進国に対するコンプレックスを皆感じており、憧れの先進国が作った粉ミクルだと自然とブランド力を発揮してしまうのです。

 

そんな背景を全て知っていたにも関わらず「粉ミクル」を広げていった事が罪なのだとこの映画では言っているのです。

特に「水道が整備されないのは自分たちのせいじゃない」と言っているシーンが印象的でした。  

 

 

どこの国でも同じ

主人公のアヤンが、なんとか入社出来た後に待っていたのは「徹底的なセールスマニュアル」だった。病院の先生と仲良くなり自社製品を取り扱ってもらうように接待攻撃を仕掛けるのだ。自社製品に自信を持っていたアヤンはどんどん医師達と関係を強くし売上を伸ばしていく。

この姿だけ見ていると、日本と同じじゃねーかと思ってしまう。売上を伸ばす方法はどこも同じなのかと。

しかもアヤンはそんな自分に満足しているように見える。なんだか身につまされるような気がしました。

 

 

「お前は虎になれ!」と教え込まえるアヤン

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告発する事のしんどさ

アヤンは自分の売っていた粉ミルクが原因で死んでしまった子供がいるかもしれないと思い会社を辞めて状況をWHOなどに報告しようとする。

しかし、たった1人のセールスマンが巨大企業に何かを訴えようとしても何も出来ない・・・・。

そして、結局は疲れてしまう。いつ報われる時が来るのかかもわからないのです。

 

それでもこの映画を誰かが目にしたという事は、何か意味があったのかもしれないなと感じる。

 

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まとめ

重たいテーマで、そのうえ明確でドラマチックな展開があるわけではないのですが、目をそむけてはいけないと感じる映画でした。

少しでも気になった人は是非!

 

 

 

では、またどこかで。